「杮落とし」ってちゃんと読むことできてたのに書くことができなかった

突然ですが、「杮落とし」って読めますか? 

そう、昔話のさるかに合戦で、木の下で柿を取ってくれるのを待っているカニさんに、意地悪なサルがまだ青くて硬い柿を投げつけ…って「かきおとし」じゃねーよ!(笑)

正しくは「こけらおとし」ですね。新築した劇場での初公演やスタジアムでの初試合などで「こけら落とし」って使われますよね。

 

これ、僕はバッチリ読むことはできてたんですが、今までちゃんと書くことができてなかった、ということに最近気づきました。

まあ、日常生活ではなかなか使わない言葉ではありますが。「柿」も「落とし」も簡単な漢字なのに何で書けてなかったのかというと…

 

いつから柿(かき)だと錯覚していた?

てっきり「柿落とし(かきおとし)」って書いて「こけらおとし」って読むもんだとばかり思っていたんですが、実は「柿(かき)」と「杮(こけら)」は違う字なのでした。

「柿」の読みは(音)シ・ジ(訓)かき。画数9。文字コードはE69FBF(UTF-8)

「杮」の読みは(音)ハイ(訓)こけら。画数8。文字コードはE69DAE(UTF-8)

僕は漢検(2級ですが)合格してるので、それなりに漢字は得意な方だとは思ってるんですが、全然知りませんでした(笑)

「杮(こけら)」とは材木を削った時に出る切り屑のことで、新築工事の最後にこけらを払い落としたことから最初の興行などを「杮落とし」と言うようになったのだそうです。

 

違う文字だと言われても、この記事書いていても「柿」と「杮」の違いがは全くわかりません。というわけで拡大してみます。

左から、かき・こけら です。

 

MS P明朝

20121125 kakikokera-mspmin

MS P明朝です。違いがわかりません。ダバダ〜。

このくらいサイズを大きくすると、よく見るとフォントとして文字が違うことはわかります。へん(木)とつくり(市)の間の距離が微妙に違う感じです。でも、そんな違いで「だから違う文字だ」とか言われても困ってしまうわけですが(笑)

 

ヒラギノ角ゴ Pro

20121125 kakikokera hiraginokakugopro

ヒラギノ角ゴ Proで表示してみたところ、やっと違いが現れました。

「柿(かき)」はつくりが亠(ナベブタ)と巾で構成されていて総画数は9画ですが、「杮(こけら)」はつくりの「市」の部分の縦線が上から下まで突き抜けて総画数は8画の漢字です。

 

普段滅多に「こけらおとし」なんて使わないですけど、今まで「杮落とし」って書くとしたら、確実に、「柿落とし(かきおとし)」って書いてましたね。自信満々に書けると思い込んでいましたもん(笑)