失敗しない半熟タマゴを作る!えすたく式半熟タマゴ製法
このブログでも何回かエントリしていますが、最近燻製を始めました。燻製チーズとか、燻製ハムとか、まだまだコツがつかめずド素人な出来のものばかりで、味付け薄いとか燻し過ぎで苦いとか失敗も多いですが、なんとなくそれっぽい燻製が簡単に作れるので楽しい限りです。なにより自分で作ったビールのツマミは格別な味がします。
で、今のところ一番安価で作れる燻製は「燻製玉子」なんですよね。もちろん食材にこだわったらキリがありませんが、今の僕程度の腕前ではスーパーの特売のタマゴがあれば充分ですし。
そして、当たり前ですが燻製玉子を作るために一番大事なものはゆで卵です。まず、ゆで卵を作れないと何も始まりません。
人それぞれ好みはあるでしょうが、僕は半熟タマゴが大好きなので、とにかく半熟タマゴを上手に作れることが絶対条件です。ただ、僕は小・中学校の時の家庭科の通信簿は常にぶっちぎりの低評価を食らっていたくらい家庭科が苦手だったのです。もちろん今も全くダメです(笑)
そりゃ、いくらなんでもゆで卵くらい作れますが、ゆでる時間とかこれまでその時の気分でやってたので、ゆですぎて固ゆでタマゴになってしまったり、逆にやわらかすぎたり。皮を剥けばほとんどの白身がカラに張り付いて剥がれちゃってボロボロになっていたり。
そんな卵を燻製にしたってうまそうじゃないじゃないですか。だから、キレイな半熟タマゴを狙い通りに作れるようにならなければなりません。そこで、様々なサイトで紹介されている卵のゆで方を研究し試してみて、ついに自分に向いている方法を確立することができたのです。
それが「えすたく式半熟タマゴ製法」なのです!
えすたく式半熟タマゴ製法とは
別に自分で考えたテクニックがあるわけではないので、オリジナリティを主張するつもりはまったくないんですが、「僕はこういう一連の手順で作ってますよ」ということで便宜上「えすたく式」と呼称します。
ゆで卵の作り方は人によって結構違くて、タマゴは常温にしてからとか冷蔵庫から出してすぐとか、水からゆでるか熱湯からゆでるかとか、いろいろ流儀はありますよね。
とりあえず、えすたく式は、冷蔵庫から取り出した直後の冷え冷えタマゴを熱湯で一気に茹でる方法を採用しています。
今まで常温からの半熟卵の作り方を読んだりして何度かやったんですが、正直あまり成功したことがなくて。常温って季節によって随分違いますしね。水の温度も同様で。季節・気温によってうまくいったりいかなかったりしていたのでした。
そもそも常温に戻るまで1時間も待つとか無理ですし。「そうだ、半熟タマゴ食べよう」と思ったら10〜15分後には完成してて、「うまいうまい」言いながら食べてる。そういうのじゃないとモチベーションをキープできません。なので、冷蔵庫から取り出した冷えた卵を使うことは絶対条件なのです。
設定次第ですが、冷蔵庫なら年中同じくらいの温度で冷えてますし、沸騰した熱湯はいつもほぼ100℃です。冷蔵タマゴと沸騰したお湯、これなら季節を問わずほぼ同じ条件で作れるわけで、時間さえ間違えなければ安定して半熟タマゴを作れるようになるはずですよね。
卵に穴をあけるべし
まず、お鍋に水を入れてお湯を沸かします。その間に卵を用意します。
卵は、直前まで冷蔵庫で冷やしていた状態のものを使います。そして、卵のおしり(とがってない丸い方)に小さく穴を空けておきます。穴を空けるのはこの1ヶ所だけです。何ヶ所も空けてはいけません。穴を空ける専門の道具もあるみたいですが、とりあえず画鋲とかでいいです。 僕は、ワインのコルク抜きの先端でチクッと空けてます。最初は割れそうで怖いですが、あまり力を入れずに刺せば空きます。
これをやっとかないと、冷たいタマゴを100℃の熱湯に投入する際の急激な温度変化でタマゴが膨張して割れてしまう危険性が高まります。あと、茹でた後に殻がキレイにむけるようになるコツなんだそうです。
一応タマゴの穴あけ器を今度買ってみようかなと思います。たまに茹でてる間にカラが割れてしまって、白身がフワフワ浮いてたりするので。万全を期すという意味で。もしかしたら、穴のせいじゃなくて、たまたま小さなヒビが入ってたタマゴだったとか、かき混ぜてる時に割っちゃったとか、いくら穴空けたといっても限界はあって、やっぱり常温から茹でるべき、ということなのかもしれないですが。
まあ、今のところ10コ中1コくらい失敗するくらいな感じなので自分としてはまずまずです。もう少し成功率を上げたいところではありますが。
ゆで時間をキッチリ計るべし
お湯が沸騰したらタマゴを投入するわけですが、まずその前にタイマーを用意しておいてください。半熟ゆで卵を作るためにはなによりも時間を正確に計ることが大事です。
タイマーはキッチンタイマーでも目覚まし時計でもなんでもいいんですが、究極的には秒単位での精度が求められますので秒針のない時計は適していません。正確にといっても、うるう秒までは考慮しなくて平気です。僕はiPhone標準の時計アプリの中のタイマーを使ってます。茹でてる間も時間を常に意識していきますが、一応、音でタイマー完了がわかるようにしておいてください。僕は呑気な着メロが流れるようにしてます。
時間はお好みとしか言いようが無いんですが、僕は7分0秒でセットしてます。もっとトロトロがよければ6分45秒、もう少し固まってた方がよければ7分15秒とかにして、1秒単位でチューニングしていきましょう(笑) そのへんは何度か作って自分好みの固さになる時間を探すほかありません。
タイマー開始と同時に手早くタマゴを入れます。ゆでるタマゴの個数にもよりますが、ザルに入れておいてなるべく低い位置から鍋に落としてください。高い位置から落としたら鍋の底と当たった衝撃で割れてしまうかもです。
その後、菜箸でゴロゴロかき混ぜ続けます。たまにタイマーの残り時間を確認しながらゴロゴロかき混ぜ続けましょう。
かき混ぜていないとタマゴの黄身が地球の引力の影響を受け、かたよってしまいます。ゴロゴロ転がすことでタマゴの中央に黄身の円を作ることができるはずです。面倒だからかき混ぜたくないって人は、宇宙空間で作ってください。その場合、フワフワ浮いてる熱湯に触ってヤケドしないように気をつけてください。
卵はしっかり冷やすべし
タイマー終了時間まで1分を切ったらタマゴを取り出す用意です。シンクにザル置いて水を流す準備をしておきましょう(もちろん茹でる前から用意しておきましょう) 間違ってもタイマーの終了音が鳴ってからノロノロ動き出すことがないようにしてください。
半熟タマゴを作る時のタイマーはゆで終わるのを知らせてくれる道具ではありません。秒単位で動くための道具です。常にタマゴを転がし、タイマーで残り時間を把握していなければなりません。人とタマゴの真剣勝負なんです。「半熟タマゴゆでてるなーう」とかツイートしてる場合ではありません!
タイマー終了と同時に、タマゴを鍋のお湯ごとザルにかけて流水開始、2〜3分一気に冷やします。
完成!(たぶん) ある程度ヒビが入ってしまっているのもありますね。でも、今回は割れたタマゴはありませんでした。
充分成功といってよいでしょう。
殻をキレイにむくべし
半熟タマゴは柔らかいので、殻剥きに失敗するとカラと一緒に白身がボロッと剥がれてしまったり、薄皮が張り付いたままになってしまったり、とにかく殻剥きは重要です。茹でる前に穴を空けているのでテキトーにむいても失敗の確率はかなり減っているはずですが、油断は禁物です。
あの辛そうで辛くない少し辛かった半熟タマゴ修行の旅の途中(?)、ギアナ高地だったかどこだったか、ぶらりと立ち寄ったあのラーメン屋…
あの日、あの時、あの場所で体得した奥義を使う日が来ることになろうとは!
名付けて「一蘭方式」で割ります!(笑)
まず、真中部分のカラをひとまわり、なるべく細かく割っていきます。写真ではヒビが入ってますが、先端・おしりの方は別に割らなくてもいいです。とにかく、卵の中央部分だけをメッタメタのギッタギタにしてやればいいです。
薄皮ごと中央の細かく割ったカラをいくつか剥がして、少しずつ円周に沿ってむいていきます。まずは薄皮が残ってしまってもいいです。無理に薄皮を剥ごうとすると失敗の元です。そのうち、必ず薄皮ごとつかめるチャンスがくるので焦りは禁物です。
写真ではカラをむいた部分、中央から左側にはシワシワの薄皮がまだ残っていますが、右側の光でテカっているところあたりから薄皮ごとカラが向け始めています。こうなったら勝ったも同然です。タマゴとカラの間に指を突っ込んで一気にむけるようになります。残っていた薄皮も一緒に剥がれてくれます。
ご覧のとおり、チュルッとむけてしまいました。いわゆる(?)逆カリメロ状態になっています。
こうなったら失敗する可能性は、ほぼゼロといってもいいでしょう。
やった!バッチリむけました!
半熟タマゴ最高べし
箸で割ってみるとこんな感じの半熟タマゴになっていましたよ! ちょっとだけ黄身が片寄ってしまった感がありますが、まずまずの出来です。
今回は岩塩振って食べました。
この「えすたく式半熟タマゴ製法」にしてからというもの、あんなに苦手だったゆで卵作りがみるみる上達、安定して成功するようになってきました。今後は、成功率もさらに上がり、身長も体重も増え(主に後者)、彼女もできて(家庭の危機です)、クラスの人気者になれそうな気がします。
さて、次はこの半熟タマゴを「味付け半熟タマゴ」に進化させますよ! 味付け半熟タマゴ、黄身に決めた!
もちろん最終進化系は「味付け半熟タマゴの燻製」です!