今開いているフォルダでターミナルを起動できる『cd to』を使ってみました
Mac OS XはUNIXベースのOSですので、BSDやLinuxと同じようなコマンド操作がターミナルで行えます。ターミナルは「アプリケーション > ユーティリティ」から起動できます。
新しいフォルダを作ったりとか、ファイルをコピーしたり移動したり、名称変更、削除したり。ほとんどのことはFinderだけで事足りますが、ターミナルでコマンド操作してしまった方が手っ取り早かったりすることも多々あります。
例えば、中身が空のファイルを作成したい場合とか、Webサーバのディレクトリごとに設定を変えたい場合などに .htaccess の中身を変えたいときとか(基本的に ピリオド"." で始まるファイル名は非表示となり、そのままでは扱えません)。
GUIでもできないこともないかもしれませんが、いろいろ設定を変えて表示できるようにしたり他のアプリを併用したり、サクッとファイルをいじりたいだけなのに面倒なことこの上ありません。そんな時にターミナルを起動して、touchコマンドで空のファイルを作ったり、vi で.htaccessの内容を変更したりしています。
ただ、ターミナルを使っていて面倒なのが、ターミナルを起動すると必ずユーザのホームディレクトリが初期フォルダとして開いてしまうことです。(ユーザ takumi の場合、 /Users/takumi )
すごく階層の深いところにあるファイルをいじりたい場合とかは、とりあえずひたすら cd コマンドで遷移していかないといけません。Finderからフォルダをターミナルにドラッグ&ドロップしてくればフルパスを取得できるので、cd だけ入力しておいてFinderから目的のフォルダをドラッグしてくる、などで短縮することはできます。
事あるたびに、今Finderで開いているフォルダを最初からターミナルで開く方法がないか調べようと思いながら忘れていたのですが、なつき(@Stocker_jp)さんのブログ記事を読んでいて、cd toというのをインストールすると便利になりそうだな、ということでさっそくインストールすることにしました。
MacBook Air 2012のレビューとWeb制作者のための設定など | Stocker.jp / diary
cd to をインストールしてみる
cd to は、Finderで今開いているフォルダでターミナルを起動してくれる、僕の要望ズバリそのもののアプリです。
cdto - Finder Toolbar app to open the current directory in the Terminal
上記のページのDownloads から最新版のzipをダウンロードして解凍します(2012年8月現在 v2.5)
そして、解凍したアーカイブ内の cd to をFinderのツールバーにドラッグ&ドロップするだけです。
なお、OS Xのバージョンごと(Tiger, Leopard, Snow Leopard, Lion)のデザインに合うようにアイコンが用意されています。
とりあえず、Mountain Lion用はまだないので、Lion版を入れてみることにしました。
解凍したフォルダの中の、Lion/cd to をツールバーの空いている場所にドラッグ&ドロップします。
なお、今のところ、Lion用でMountain Lionでも問題なく使えています。もうそろそろMountain Lionに対応した新バージョンが出るのかもしれませんね。
こんな感じでFinderのツールバーに cd to のアイコンが追加されればインストール完了です。
Finderに追加されたアイコンを押すと、今開いているフォルダを初期フォルダとしてターミナル起動ができるようになる、ということになります。
その前に、OS XがMountain Lionの場合、上記のように「開発元が未確認のため開けません」というダイアログが出てしまう場合があります。この対処方法については後記します。このメッセージが表示されてしまって使用できない場合は先に後ろの方の『「開発元が未確認のため開けません」と出てしまう場合』を読んでみてください。
cd to を使ってみる
以下、Finderで「アプリケーション」フォルダを表示して、cd toのアイコンをクリックしてみたところです。
ちなみに、pwd はカレントディレクトリ(現在のフォルダ)を絶対パスで表示するコマンドです。
今回はFinderで「アプリケーション」フォルダを開いた状態で cd to を実行したので、pwdの結果は /Applications となっています。バッチリです。
と、ここまでやったところで、なつきさんの記事にこんなことが書いてあることに気が付きました。
ちなみに、標準の機能で似たようなものとして「システム環境設定>キーボード>キーボードショートカット>フォルダに新規ターミナル」にチェックを入れておけば、Finder でフォルダを右クリックした時にそのフォルダをターミナルで開くことができるようになります。
こんな設定があったんですね。
システム環境設定>キーボード>キーボードショートカット から、「サービス」を選択。「ファイルとフォルダ」の中に「フォルダに新規ターミナル」をチェックすればいいだけです。
フォルダを右クリックしてこのメニューを実行すれば、そのフォルダを開いた状態でターミナルが起動するようになります。
ショートカットも割り当てられるし、標準のこの設定さえしておけば、cd to 入れる必要なかったかもしれないとか思いましたが、アイコン一発で起動してくれるのは便利ですしね。こちらはこちらでチェックしておいて、しばらく cd to を使ってみようと思います。
cd to のアンインストール
cd to をFinderに入れてみたけど、やっぱり使うのはやめた、という場合には、以下の手順でアンインストールできます。
ツールバーのアイコンの上で右クリックすると上のようなメニューが出てくるので、「ツールバーをカスタマイズ」を選択します。
「よく使う項目をツールバーにドラッグしてください…」という、アイコンを追加するための画面が出てくるのですが、ここでアイコンを消すこともできます。
上の図のように、cd to のアイコンをどこか空いているスペースにドラッグ&ドロップすることでツールバーから取り除くことができます。Finderの外でも、ダイアログ内に捨ててもいいです。
ツールバーからアイコンを取り除けたら「完了」ボタンで適用します。
「開発元が未確認のため開けません」と出てしまう場合
OS X Mountain Lionのセキュリティ設定により、デフォルトではMac Apple Storeと確認済みの開発元からのアプリケーションしか動作できないようになっています。OS X Lionまでは未確認アプリについては警告くらいは出ましたが、Mountain Lionからは使えなくされてしまった、ということになります。
設定を確認するには「システム設定 > セキュリティとプライバシー > 一般」とたどると、デフォルト設定では以下のようになっているはずです。
とりあえず左下のカギをクリックして管理者パスワードを入力すれば設定を変更できるようになります。
「すべてのアプリケーションを許可」にチェックすれば、今後Appleが未確認の開発元のアプリであっても実行できるようになりますが、せっかくこういう実行許可の仕組みも用意されたことですし、アプリごとに確認することができればそれに越したことはありません。
controlキーを押しながらアプリを開くことで、そのアプリに実行許可を与えることができるようになります。
cd to の実行ファイルの上で右クリックして、controlキーを押しながら「開く」を選択します。
「"cd to"の開発元は未確認です。開いてもよろしいですか?」というメッセージに変わり、「開く」を選択すれば今後、そのアプリに実行許可が与えられます。
cd toに限らず、未確認の開発元のアプリを使いたい場合は、実行許可を与えてもいいかよく確認した上で、controlキーを押しながら実行するのが良さそうですね。毎回面倒くさい、という人はシステム設定ですべてのアプリケーションを許可してしまえば良いとは思います。
システム設定で全て許可してしまおうがcontrol併用であろうが、悪意ある未確認のアプリに遭遇して被害を受けた時に「やっぱり安易に許可したのは失敗だった」と後悔するのは変わりありませんので、control併用にしたからといって安全に使えるという保証はありません。
だからといってそのアプリがMac Apple Storeでダウンロードできるようになるまで待ち続けるのも気の長い話ですし、その開発元がAppleに申請すること自体行わないかもしれませんし。どうしても使いたいアプリなのであれば、未確認でも入れる方が便利になるので悩ましいところです。心当たりのないアプリが勝手に動いていたということがないように、せめてcontrol併用で未確認アプリに実行許可を与えて使う方が良いとは思います。
まあ、不用意に怪しいアプリをインストールすることだけはしないように気をつけましょう、ということで。
cdto - Finder Toolbar app to open the current directory in the Terminal