がんばれシャープ! 楽しかったX1、X68000の思い出。

えふしんさんの「技術力、ソフトウエア発想共に最もアップルに近かったシャープ…X1/X68の思い出」 を読んだ感想っていうか、なんだか思い出話を書きたくなったので。

 

以前、「僕が今まで所有したパソコン一覧」ということで書きましたが、僕も10代の頃、X1からX68Kと渡り歩いたので、随分えふしんさんと共通する思い出が多くて懐かしくなりました。

X1のカセットテープに始まり、X68000のグラディウス見て度肝抜かれて買い換えて。そのうちパソコン通信始めて、調子こいて10万円超えとか。使うエディタはμEmacsってとこまでほとんど同じパターンで笑ってしまいました。他の同世代のX68Kユーザもだいたい同じパターンだったのかなあ、とか。

さすがにザナドゥはFD版で遊びましたが… カセットテープ版はなあ… 猛者過ぎます(笑)

少年時代の僕に、シャープが与えた影響というものは計り知れないものがあります。最初のパソコンはNECのPC-6001mk2でしたが、シャープのX1やX68000といったパソコンを使っていなければきっとパソコンに飽きていたかもしれないな、と思ってます。

X1について

当時、X1で斬新だなあと思っていたのは、専用モニタでのテレビ機能ですね。あの頃はテレビが見れるパソコンってシャープくらいしか出してなかったんです、たぶん。ちなみに初代X1が世界初だったはずで、「パソコンテレビX1」と銘打って売られていたはずです。

当然専用テレビモニタである必要がありますが、WizardryやBASICのコーディングをしながらテレビを見れる。スーパーインポーズ、つまり、黒背景の部分にテレビ映像が写り、パソコン画面の文字などが合成されるのです。

「受験勉強するから」と自分の部屋にこもり、テレビで「必殺仕事人」を見ながらグレーターデーモンの養殖に勤しむわけです。こんなに楽しいことはありません(笑) もちろん、今みたいに別ウインドウで表示してくれるわけではなく、パソコン画面とテレビ映像が重なってるだけなので、見にくいことこの上ないわけですけど。

その頃のシャープはMZシリーズとX1シリーズの2系統のパソコンを販売していて、テレビ事業部がXシリーズ、パソコン事業部がMZシリーズを開発していました。この2シリーズに互換性はなくて、同じシャープのパソコンを使っていても、ユーザ内である程度ライバル視していたと思います。まわりにMZ持っている人はいなかったので僕の思い込みかもしれませんが。

他のメーカーではNECがPC-88、富士通がFM-7/77を出していた頃で、8ビットパソコンの覇権を握ろうと、各メーカーが実に個性的なパソコンを出していて面白かったですね。

一番シェアが大きかったのはPC-88ってことになるんでしょうけど、電波新聞社「ゼビウス」やT&Eソフト「ハイドライド」などは他機種に比べるとX1版のクオリティが(当時としては)突出していて他機種に対して優越感がありました。ゲームをメインに遊ぶ中学生にとってはX1は非常に満足度の高いマシンでしたね。

X68000について

その後、シャープは1987年にX68000を出して、NECはPC-8801からPC-9801へ、富士通はFM-77からFM-TOWNSに…という感じで各社16/32ビットパソコンに主流が移っていきました。X68ユーザとしては98をライバル視してたりしましたが、実際は圧倒的にPC98が強かったわけですが。

X68000が出た当時は色を65536色使えるとか、PCM音源を使えるので肉声やオーケストラヒットをBEEP音にすることができたりとか、とっくに死語になってますが「マルチメディア」って騒がれる何年も前にマルチメディアを体現したパソコンだったと思います。

そういえばX68用のMac OSのエミュレータとかも出まわってましたね。「実機よりも高速」って話でしたが、本物のMacを知らなかったのでよくわかりませんでした。Macには憧れてましたが、そもそもMacOSで何をしたらいいのかサッパリわからなかったし、爆弾マークもよく出たのでほとんど使いませんでした(笑) 

PC-9801ブームを横目に後継機種のX68030に買い換えたりもしたり、ずっとXシリーズと付き合っていくつもりでしたが時代の流れには逆らえず、残念ながらシャープは2000年にX68000事業から撤退してしまうのでした。パソコン事業部のMZシリーズは残り、その後Mebiusなども発売されましたが、僕が好きだったシャープのパソコンはXシリーズだけでしたし。そこで僕のシャープのパソコンとの付き合いも終わってしまいました…

X68000といえばとにかくツインタワー筺体の「マンハッタンシェイプ」が特徴ですが、そのモデルとなったNYの世界貿易センタービルも9.11で壊されてしまったし。これからシャープもどうなってしまうのかわからないし… X68000で遊んでいたのはつい最近のような気もするのになあ。1987年に発売されてから四半世紀、撤退してから12年も経ってしまったんですね。

 

そして、シャープについて 

パソコンは使わなくなりましたが、その後も家電でシャープ製品を選ぶことは多かったです。テレビとかエアコンとか。マイナスイオンは信じないけど、とりあえずプラズマクラスターは効きそうだ、とか(笑) 自然とシャープのファンになっていた、というところです。

有名な「目のつけどころがシャープでしょ」というコピーの通り、シャープはなんだか他のメーカーとちょっと違う、個性的な製品が多いですよね。もちろんX68000などもそうでしたが。

僕は買いこそしませんでしたが、シャープのイロモノ製品というと、テレビにファミコンが内蔵された「ファミコンテレビC1」、ファミコンとディスクシステムが合体した「ツインファミコン」、X1とPCエンジンが合体した「X1twin」などなど。合体モノばかりですが。 個人的にはX1twinが衝撃で、「これがX1誕生5年目の解答です」というコピーを未だに覚えてたりします。「5年目の解答が…これかよー!」ってズッコケましたから。PCエンジンとパソコンくっついてもなあ…

数年後、IBMとセガがIBM-PCとメガドライブを合体させた「テラドライブ」なるものを出したりしましたが、X1twinの後では二番煎じもいいところでした(笑) 合体技はシャープのお家芸ですね。「ネタ切れしたらなんでもいいからくっつけちゃえ」みたいな感じだったのかもしれませんけど。

シャープは21世紀になってからも、AQUOSとWindowsパソコンくっつけた「インターネットAQUOS」とか出してましたしね。「かつてバラバラにパソコンを売りだしていたテレビ事業部とパソコン事業部が時を超え、タッグを組んだのか?」と胸が熱くなったものです。全然欲しいと思いませんでしたけど(笑) だって、居間で他の家族もいるのに大画面でパソコンやれませんて。

先月だったか、目覚まし時計機能が搭載されたAQUOSを出すってことで某掲示板などで散々ボロクソに叩かれてましたが、「シャープは相変わらず目の付け所がなあ…」と思って微笑ましかったです。目覚まし時計との合体はさすがに退化してる気もしましたし、迷走してるなあと思っていたら今月のこの大騒ぎ。なんだかなあ…

 

えふしんさんのブログで言われているように僕もシャープはアップルにはなれなかったとは思うけど、テレビ事業部がX68シリーズというかパソコンから撤退せず、継続していればずいぶんと違った結果になっていたんじゃないかなあとは常々思っていました。X68030の後継として「NewXが出る」という噂(というかユーザの願望?)は常に流れていましたし、僕もずいぶん期待もしていましたし。そして撤退の発表で心底ガッカリしましたし。

ただ、そのテレビ事業部は本業のテレビ事業で、AQUOSが液晶テレビの代名詞的になるくらいまで一時は大成功したわけですし、撤退は間違ってはいなかったのかもしれませんね。でも、その液晶テレビ事業や、これまた一時期は一世を風靡した太陽光パネル事業が今の経営危機を招いてしまったのかな、と思うとやるせない気持ちになってきます。

工場の売却、縮小、大量リストラと、これからシャープがどうなってしまうのかまったく想像もできませんが、とにかくなんとか生き残ってなんとか復活して、また他とは目のつけどころが違う面白い製品を世に送り出してもらいたい。そう願っています。