ブログサスペンス劇場「道端に咲く黄色い花に隠された巧妙な罠!」
毎年6月くらいになると道端でよく見かける黄色い花。
なんていう名前か知らないけど結構鮮やかに咲いているので、うちの庭にも植えたらきっと賑やかになるなあ、ちょっと分けてもらえないかなあ、なんて思いながら調べてみました! 画像検索で判断する限り…たぶん、オオキンケイギクって名前の花ですね。
えっ。栽培禁止!?
外来生物法で特定外来生物として栽培・譲渡・販売・輸出入が禁止されていて、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選定されているそうです。というか、普通にこうやって道端に咲いてるくらいだし、法律で栽培禁止って言われてもなあ。もし法律破って栽培したところでたいしたことないんでしょ?とか思って外来生物法を調べてみます。
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)
第三十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一 第四条の規定に違反して、販売又は頒布をする目的で特定外来生物の飼養等をした者
- 二 偽りその他不正の手段により第五条第一項の許可を受けた者
- 三 第六条第一項の規定による命令に違反した者
- 四 第七条又は第九条の規定に違反した者
- 五 第八条の規定に違反して、特定外来生物の販売又は頒布をした者
ぎゃあああ。3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金! あぶない、逮捕されるところでした!(笑)
オオキンケイギクは1880年代くらいに鑑賞目的で輸入され、その繁殖力の強さもあって緑化などの目的にも使われるようになったようです。でも、この花が繁殖しまくるとカワラナデシコなどの在来種に悪影響を及ぼすおそれがあるとのことで、特定外来生物として指定されたそうです。陸のブラックバスみたいなもんですね。そうかー、植物でもそういうのあるんだなーって当たり前か。
このオオキンケイギクは道端沿いの一角だけにまとまって植えられてるので単なる雑草って感じでもなく。たぶん隣の畑いじってる老夫婦が管理してるとは思うんですが。まさか本人も法律に違反してるとは思ってないだろうなあ…
僕も機会があれば「この花栽培するのは法律違反らしいですよ」って伝えられるかもだけど、あまり面識ないし不自然だなあ…。そもそも特定外来生物ということがほとんど一般に認知されてないのが問題だと思うので行政が業者雇って駆除してくれるといいんだけど(知らなかったの僕だけだったりして?)
そしたら老夫婦が「何をするだァーッ!」って言ってくると思うんだけど、「栽培が禁止されてるんですよ」って業者さんが説明して納得してもらうしかないような。
もっとアレですよ、ほら、「オオキンケイギクの栽培ダメ。ゼッタイ」とか「栽培、カッコ悪い」みたいな感じでA〜C〜♪ってやって欲しいところですね(笑)
というわけで、花を育てるだけのつもりが、取調室でカツ丼食べることになるかもしれないところでした。みなさんもご注意を。
追記(2012/06/14)
メールでご指摘いただいたのですが、もしかしたらこの花は「オオキンケイギク」ではないかもしれません。「ホソバハルシャギク」というよく似た花があるそうで、こちらは栽培しても全く問題なく、花屋さんでも売られているのだそうです。
僕も見分け方をいろいろ調べてみましたが、わかったようなわからないような。とりあえず「これどっちだ?」ってどちらかの写真を見せられたとして、当てられる自信は… そうですね、50%くらいでしょうか?(笑) とにかくこの2種の見分けは専門家でも困るほど難しいのだそうです。しかも、園芸種を作り出すために原種を交雑させたため、どちらとも判断できないような品種も存在するそうで、素人には恐ろしくハードルが高いとしか言いようがありません。
まあ、よほどハッキリと見分けができない限りは栽培は避けたほうがいいのかもしれませんね。そして(そもそもやるつもりはありませんでしたが)「これ、オオキンケイギクですよ?」って違反を指摘するのも難しいってことですね。正直、見かけてもスルーした方がよさそうです。それか疑わしきは駆除してしまうのか…
メールいただいた河野さん、ご指摘ありがとうございました!
参考
特定外来生物同定マニュアル(植物 詳細PDF版) - 環境省
クイズどっちでshow!オオキンケイギクとホソバハルシャギク(画像もあるよ) - はぐれけんきゅういん♀リターンズ